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学校では教えてくれない社会のオキテ

学校では教わることの出来ない、社会に出ないとわからないオキテ(ルールあるいはマナー)についてのブログ。既に就職されている方のご参考にもなるでしょう。

第29講 ヒューマンエラーの3つの種類…「スリップ」「ラプス」「ミステイク」 〜 事故・エラー予防(3)

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第29講 ヒューマンエラーの3つの種類…「スリップ」「ラプス」「ミステイク」 〜 事故・エラー予防(3)

前回エントリーでは、「認知心理学」、つまり人間の知的活動を一種の高次情報処理システムとみなしてその心的活動を理解しようとする観点から「SRKモデル」をご紹介しました。 今回は、ヒューマンエラーの3つの種類と、SRKモデルとの関係について説明します。


 ヒューマンエラーは以下の表のように「スリップ」「ラプス」「ミステイク」の3つに分類することができます。

 

 それぞれについて例を挙げながら以下で説明していきます。

(1)「スリップ」 …実行段階での失敗によるエラー。思い違いや確認ミス

 計画自体は正しかったが実行の段階で失敗してしまったもの。(例:ボタンを押し間違えた。高所作業時に命綱をつけたが誤って固定されていない場所にかけた。)
 これはスキルベースでの「監視の失敗」です。行動だけがルーチンされているためにボーッとした時などに起こるので、意識の覚醒、注意の喚起が対策になります。鉄道運転員が行なっている指差し確認などはこのエラーを避けるための方策の一つです。

(2)「ラプス」 …実行段階での”抜け”の失敗によるエラー。手順忘れや気の焦り

 これも計画自体は正しかったのに、実行の段階で”抜け”が出てしまって失敗してしまったもの。(例:安全装置を解除し忘れて操作ボタンを押し続けた。高所作業時に命綱をつけようとしたが別の指示があり固定するのを忘れた。)
 これもスキルベースでの「監視の失敗」ですが、ルールベースからスキルベースになりきれていない研修時期の終盤や中堅クラスに起きやすいものなので、徹底した訓練はもちろんですが、現場での抜けや混乱を避けるために、手順を番号で表示しておくとか、操作をわかりやすくその場に明示するなどの対策の併用が有効です。

(3)「ミステイク」 …計画段階の失敗によるエラー。前提の考え違いや知識・経験不足

 正しく実行はできていたが計画自体が間違っていたもの。(例:対象製品用の機械でない別の機械で生産した。危険物質火災において燃焼物が水に反応する物質であると認識せず通常通りの放水活動を行った。)
 これは、ルールベース及びナレッジベースでの「問題解決の失敗」であり、ベテランでも起こしてしまう可能性が大いにあります。過去の経験があることで間違った前提を導いてしまうこともあるからです。
 ミステイクに対する対策としては即効性のある教育訓練方法はありません。知識や経験の少ない若手には適正な判断をするための知識の教育を、また、逆に知識・経験の豊富なベテラン職員には、過去の経験等から解決方法を固執させないための柔軟な判断力を養うために様々な事例等を用いた教育を行っていくことが必要になります。


 ヒューマンエラーは、一度対策を講じたからといって永久にそれが効果を持つというものではなく、特効薬もありません。それこそ職場や業務があるかぎり、そしてそこに人がいる限り、継続的な対策を打ち続けることでしか避けることは出来ません。 いや、むしろ「ヒューマンエラーは必ず起こるもの」としてうまく付き合っていく工夫が必要になるのです。この辺を次のエントリーで触れて、このシリーズのまとめにしたいと思います。

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