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学校では教えてくれない社会のオキテ

学校では教わることの出来ない、社会に出ないとわからないオキテ(ルールあるいはマナー)についてのブログ。既に就職されている方のご参考にもなるでしょう。

第30講 「再発防止に努めます」では現場は済まない 〜 事故・エラー予防(4)

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第30講 「再発防止に努めます」では現場は済まない 〜 事故・エラー予防(4)

組織の不祥事が公になると、そのニュースの最後は必ずこういう文言で締めくくられます。曰く、「再発防止に努めます」。 しかし、大体ダメな組織というものは同じ過ちを何度となく繰り返すものです。それは何故か、そしてどうすれば事態は改善するのか、考えてみたいと思います。

 

(1)「今後は気をつけなさい」「ダブルチェックをしなさい」に効果はない

 問題が起こった時に、やり方をほとんど変えずお金もかからないということで、まず上司からのお達しがあるのがこの2点でしょう。
 しかし、どんなに注意深く真面目な人でも四六時中緊張し続けるわけにはいきません。ベテランでもポカがあります。ダブルチェックとはいっても、同僚や上司に頼まれて一個一個念入りにチェックするでしょうか?それに同じ環境にいる人間というものはモノの考え方が似てくるものです。そこで既にバイアスがかかっているのです。その状況で2人が3人になろうが客観的なチェックなどにはなりません。
 大体何も変えずに(自分も変わらずに)問題解決しようとする虫の良さがある点でハナから間違っているのです。まず思い切って自分から何かを変えてみよう、そういう意識こそまず管理職は職場で共有させるべきでしょう。

(2)提案や指摘が損をする環境では誰もが「三猿」になる

 「こうした方がいい」「このやり方はオカシイ」「もう少しで事故りそうだった」そういう意見を言いやすい環境ですか? 
 もし言いだしっぺが全部押し付けられたり、吊るし上げられて皆から集中砲火を浴びるようなところだったら、そこでは誰もが「見ざる」「言わざる」「聞かざる」の三猿になってしまうでしょう。自分のミスを隠蔽するようにもなります。何も問題が認識されなければ解決する必要もないということであり、そこでは事故やエラーは単に「運が悪かった」と済まされるようになって、なくなることは永久にありません。
 打開策としては、「報告者の免責(正直に自分のミスを申告した場合には罰しない)」と「全員参加の建設的議論」がカギになるでしょう。これも管理職が職場のルールとして宣言し徹底することが大事です。

(3)ヒューマンエラーの根絶ではなく、「エラーの影響の最小化」を目指す

 まず、「ヒューマンエラーの根絶」は無理である、と腹をくくりましょう。前回のエントリーで紹介した「スリップ」「ラスプ」「ミステイク」はその可能性を小さくしていくことは出来ますが、エラーが起きる確率は「ゼロ」にはなりません。思ってもみないこと、それこそ想定外なことを人間はしてしまうものなのです。
 だとすれば、目指すのは「エラーの影響を最小化」するような仕組みをつくることです。  操作を間違っても安全な状況にとどまる「フェイル・セーフ」、どんなことをしても事故が起こらない「フール・プルーフ」、誤ったことをするのを大変にする「エラー・レジスタンス」、いたずらや改ざんを出来ないようにする「タンパー・プルーフ」など、様々な用語はありますが、そこにあるのは「イザという時に何をしでかすかわからないその場の人間に最終結果を委ねてはいけない」という考え方なのです。
 こういった考え方は製造業やIT企業の現場では当たり前のこととして浸透しているのですが、いわゆるホワイトカラーと呼ばれる職種ではまだ意識が不足しているのではないでしょうか。少数の人間の判断ミスがすぐに全社的影響に及ぶような仕組みを放って置く限り、「再発防止」は夢のまた夢でありましょう。


 東日本大震災とそれに伴った事故で失った人や物は実に膨大でしたが、こと「危機対応」という点では大きな教訓を得られたと思います。

 それは「危機に際して人間に高度な判断を求めることは出来ない」ということです。

 人間の判断を委ねる仕組みをつくってしまったために、起こってはいけない事故が起こり、失わなくてよかった命が失われたことも多々あったのではないでしょうか。特に、福島第一原子力発電所の事故に関する、政府や東京電力の緊急時対策や事故後の判断は決して最善のものであったわけではないでしょう。 なんとか事故を食い止めた、あるいは死から免れた場合にも、それを関係者の懸命の努力という「美談」として終わらせるのではなく、施設にも人間にももっと影響を最小化出来なかったのかを、再検討することが必要ではないか。復興が必要なのはもちろんですが、そういった教訓を未来に生かす取組みがもっとあってもいいと思うのです。

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